レーダ5号機衛星打ち上げ成功 日本の情報収集衛星のレベルは?

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情報収集衛星レーダ5号機を載せたH-IIAロケット33号機が、種子島宇宙センターから2017年3月17日10時20分に打ち上げられました。

レーダ5号機は正常に分離し、打ち上げは成功しました。

情報収集衛星について深掘りしてみました。

この情報収集衛星は、内閣官房の情報機関「内閣情報調査室」内に設置された内閣衛星情報センター(CSICE)が運用しています。

情報収集衛星の目的は「外交・防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報の収集」です。

自衛隊が運用していれば「偵察衛星」という名称がつけられますが、自衛隊ではなく内閣が運用しているので「情報収集衛星」。
だけど、事実上は偵察衛星と何ら変わらない、と言っていいと思います。

情報収集衛星

情報収集衛星導入の経緯は、1998年8月31日の北朝鮮による弾道ミサイル「テポドン1号」の発射がきっかけです。

この事件を契機に、日本がより高度な偵察能力を獲得することが求められ、米国のシャッターコントロールに左右されることがない、自国の偵察衛星の保有が検討されました。

テポドン1号発射の3か月後には情報収集衛星の製作を決定。翌月には情報収集衛星導入が閣議決定されています。

情報収集衛星は、光学衛星レーダ衛星の2種類があり、2種類を1組として、2組(2機×2組=4機)体制で運用しています。

光学衛星は、光学センサ(望遠鏡のさらに高度なやつ)と搭載しています。なので、夜間や曇天の情報収集には向きません。

そこで、レーダ衛星が必要になります。レーダ衛星は合成開口レーダーを使い、観測します。
合成開口レーダーはマイクロ波(電磁波)を対象物に照射し、反射してきた信号を分析するので、夜間でも天候が悪くても、対象物を観測できます。ただ、光学センサより分解能は劣るのが難点です。

情報収集衛星で弾道ミサイルの発射兆候を捉えることはできるのか

情報収集衛星は、地球を周回する軌道を、1周約90分で周回しています。弾道ミサイル発射の兆候を捉えても、衛星はすぐに別の場所に移動してしまうので、発射の瞬間を捉えることはできません。

ということは、情報収集衛星は、弾道ミサイル発射を捉えるには、あまり役に立っていないということですね。
だから、北朝鮮のミサイル発射のニュースが、ほとんど“韓国発”になっているのは、日本に弾道ミサイル発射を捕捉できる能力がないからなんですね。

弾道ミサイル発射の瞬間を捉えて、即時に警報を出すには、静止軌道を周回する早期警戒衛星の導入が必要です。

早期警戒衛星

ミサイルは、発射した時に赤外線を放出します。
早期警戒衛星は、それを赤外線センサーで探知して、ミサイルが発射されたことを捕捉します。

日本政府は、2014年度予算で「早期警戒衛星」の実用化に不可欠の宇宙用赤外線センサーの開発予算として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に4,800万円を計上しました。

また、2015年12月には、安倍総理大臣が「早期警戒衛星の開発を進める」考えを初めて示しました。

ということは、日本が早期警戒衛星を運用するのは、まだまだ先になりそうです。

現在運用中の情報収集衛星

名称 打上げ日 打上げロケット 分解能 備考
光学3号機 2009年11月28日 H-IIA 16号機 約60cm
光学4号機 2011年9月23日 H-IIA 19号機 約60cm
レーダ3号機 2011年12月12日 H-IIA 20号機 約1m
レーダ4号機 2013年1月27日 H-IIA 22号機 約1m H-IIA 22号機には
光学5号機実証衛星も搭載。
レーダ予備機 2015年2月1日 H-IIA 27号機 約1m レーダ3号機・4号機と同型。
光学5号機 2015年3月26日 H-IIA 28号機 30㎝~40㎝程度とみられる
レーダ5号機 2017年3月17日 H-IIA 33号機 50cm前後とみられる レーダ3号機の後継機。
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