【韓国経済】韓国が経験した2度の通貨危機をおさらい

韓国経済がガチで危ないんじゃないか。
ということが、最近メディアを賑わせています。
韓国経済に関しては、以前から、構造的に脆弱であることが指摘されていますが、ここにきてマイナス成長の兆しやウォン安など、ネガティブな数値が立て続けに出てきたため、良いとこなしの韓国経済も、ついに終わりか?
と、一部には恐れおののき、一部にはほくそ笑む人がいるようです。

そんなわけで、韓国が過去に経験した2度の通貨危機をおさらいし、今の韓国経済がガチで危ないのか、検証してみましょう。

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韓国の2度の通貨危機

1997年 アジア通貨危機でIMFから救済

1997年、アジア通貨危機が起こりました。
ヘッジファンドなどの機関投資家が仕掛けた「空売り」より、アジア各国の通貨が軒並み暴落した事件でした。
ヘッジファンドに狙われたのは、自国通貨を米ドルと連動させていた(ドルペッグ制)国の通貨で、タイ、マレーシア、インドネシア、香港などで、その中に韓国も含まれています。

それまでは、ドル安の状態で、アジア各国もそれに合わせて安定した状態でしたが、ドルが高くなると、ドルペッグ制を採用していたアジアの国々もそれに合わせて、自国通貨を高く維持しなければなりませんでした。
通常、実体経済が悪ければ、自国通貨が安くなって、輸出を増やし、実体経済も回復する。
という感じでバランスをとることができるのですが、ドルペッグ制の場合はそれができません。
自国の経済が悪くなっても、通貨は高いままで、輸出も増やせない。ますます経済が悪化することになるわけです。
そこに付け込んだのが、ヘッジファンドでした。

ヘッジファンドは、アジアの通貨を大量に「空売り」(高いうちに売って安くなったら買い戻して利益を得る手法)しました。
アジア各国の通貨当局は、手持ちのドルを使って自国の通貨を買うことで、通貨を維持しなければなりませんでした。
しかし、手持ちのドルがなくなれば、通貨当局も打つ手がなくなり、自国通貨は急落します。
そうなれば、ヘッジファンドの“勝ち”です。
安くなった通貨を買い戻して、大儲けです。

韓国も、このアジア通貨危機に見舞われ、韓宝グループや三美グループといった財閥が倒産し、起亜自動車が経営破綻するなど混乱し、韓国の信用格付けも「投資不適格」のレベルまで下げられました。
結局、1997年11月に韓国政府はIMF(国際通貨基金)に救済を要請。
2001年に全額を返済し、IMFの支援から解放されました。

2008年 リーマンショックの影響でウォン暴落

2007年ごろから、アメリカのサブプライムローン問題が明らかになるにつれ、世界的な不況に突入していきました。
そして、決定的になったのが大手投資銀行リーマンブラザースの破綻(リーマンショック)です。

リーマンショックにより国際金融市場は著しく収縮。
信用不安により、短期金融市場にドルが供給されにくくなりました。
2006年ごろから国際収支が悪化していた韓国では、短期的対外債務が増えていて、その多くが2008年9月に償還期限を迎えるものでした。
韓国はドル不足の中で、償還のためのドルを用意しなければならず、ウォンに比べてドルが高騰(=ウォンが暴落)することになってしまいました。

ウォンの暴落により大打撃を受けたのは、韓国の中小企業でした。
韓国の中小企業のなかで「ノックイン・ノックアウト」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)の取引をしていた企業が多額の債務を抱えることになりました。
韓国政府はこれらの救済のために8兆3000億ウォンを支援しました。

ウォンの暴落は1ドル=1500ウォンを超える水準まで行き、アメリカと通貨スワップ協定の締結したことで持ち直しています。
ちなみに、日本もこのとき、韓国と通貨スワップ協定を結びましたが、感謝されるどころか「もっと早く締結できただろ」と難癖をつけられています。

韓国経済は大丈夫なのか?

結論から言うと、韓国経済は外部環境が急激に悪化しなければ、当分は大丈夫でしょう。

韓国のGDPがマイナス成長となったけど

韓国では、2019年1-3月期のGDPが前期比0.3%減(実質ベース)のマイナス成長となりました。
ただ、1四半期の数値だけだと、正直判断しようがないのです。
2018年10-12月期が1.0%増だったので、「0.3%減」はそこまで深刻な数値ではないでしょう。
今後、マイナス成長が続くのなら、「いよいよヤバくなったか」となります。

国際収支は黒字

韓国の2018年の経常収支は764億ドルの黒字(IMF推計)で、過去30年の推移を見てもそんなに悪くはない状態です。
2008年の通貨危機から回復して、最高値からちょっと下がったという感じです。

貿易収支に関しても、2017年に952.2憶ドルの黒字で過去最高をマークしています。
2018年は約700億ドル(韓国貿易協会発表)とまずます。
ただ、輸出全体に占める半導体の依存度が高すぎるのが気になります。

ウォン安は黄色信号

ドルウォンは、2018年7月以降1ドル=1120~1140ウォンで推移していたものが、2019年4月から1ドル=1200ウォンを越えそうな勢いで下落しています。
韓国経済が危ないんじゃないかと思った海外投資家が資金を引き揚げているようです。
韓国経済に何の問題も起こらず、外部環境も安定していれば、ウォンの買戻しも起こり得るので、一時的なものかもしれません。
ただ、1ドル=1200ウォンを超えても、ウォン安の勢いが止まらなければ、要注意です。

「韓国経済の基礎体力は丈夫」?

韓国のマイナス成長を踏まえて、韓国の文在寅大統領は「韓国経済の基礎体力は丈夫」とコメントしました。
数字だけ見れば、それはそれで合っているのですが、「韓国経済の屋台骨はガタガタ」と見ておいたほうがいいでしょう。

サムスンを代表する半導体だけに依存して、ほかの産業が育っていない。
最低賃金を無理に引き上げたため、中小企業の経営を圧迫し、悲鳴を上げている。
失業率は4.0%前後。青年失業率ともなると10%。

事実、韓国経済は良いとこなしです。
最大のお客さんである中国経済がアウトになれば共倒れ。(そのときは日本も相当ヤバイですが)
一本柱である半導体が、ボキッと折れれば、韓国経済は音を立てて崩れていくでしょう。

というわけで、何事もなければ大丈夫だけど、何かあれば大崩壊というのが、韓国経済の現状でしょう。